​ゲシュタルトセラピー・キーワード集

☆ 有機体的自己調節(Organismic Self-Regulation)

人は他の生物と同様、ありのままの自分でいれば、自ずと周囲の人々や環境と共存共栄しつつ自分を十全に活かす方向に自己調節する機能を持っている。ゲシュタルトセラピーの出発点は、人にはこの機能を回復する可能性があるという信頼。

1.ゲシュタルト

ドイツ語で「まとまりのある形の全体像」の意味。たとえば点や線が、何らかの意味のあるまとまりに見えるとき、ゲシュタルトが形成されたと捉える。(図1参照)

2.地と図(背景と前景)

 図(前景)= 今気づいていること。

 地(背景)= 体験しているが気づきにのぼっていないこと。

図2(ルビンの杯)の白い部分を杯と認識しているときは杯が「図」になっており、黒い部分はそれがあることは目に映っているが、それが何かということが気づきにのぼらない、つまり黒い部分を「地」と呼ぶ。

3.今・ここ

実際に体験できるのは「今・ここ」だけ。過去と未来は実際には存在しない。にもかかわらず、人は、存在しないはずの時間の中に埋没しがち(=下記4の「中間領域」とのコンタクトに埋没しがち)。

4.気づき(図と地の転換)

「今・ここ」で図になっている感情・感覚を十分に感じるとそれが地に引っ込み、新たな図が出現する体験。「図と地の転換」と呼ぶ。思い込みやとらわれなど、固着した図が転換して新たな図と置き換わることで、ものの感じ方や環境とのかかわりに変化が起きる。

5.体験と〝中間領域〟(コンタクトの3領域)

「体験」とは接触(コンタクト)すること。人がコンタクトできるのは、自分の内側、中間領域、外の世界(環境)。(図3参照)

中間領域の中身は、人が環境に適応する方向に、過去に経験・学習して蓄積したデータ。それに沿った行動様式を習慣化する(「固着したゲシュタルト」にする)ことで自分を守る。環境とコンタクトする時にこれがフィルターの役割を果たし、過去のデータを踏まえた独自の意味づけ・色づけをするので、ありのままの環境と直接コンタクトして感じ取ることが難しくなる。「考えること」も、過去に蓄積したデータを情報処理することなので、思考が起きている時は過去にいるのであり、「今・ここ」でしか起きない図と地の転換は体験できない。なのでクライエントが中間領域にいる時、セラピストは内側あるいは環境と接触して「今・ここ」にいることを促す。

6.「未完了な事柄」

 ある出来事を経験したときに湧き起った感情をからだの外に表出せず、呑み込んで蓋をしてしまったような事柄。感情処理が済んでいないのでその感情がいつまでも体内に残り、折に触れ活性化する。これも心の目を覆うフィルターとして働き、「今・ここ」で起きていることとの直接の接触を妨げる。それが不自由な状態を生む。

7.現象学、実存主義(詳しくはここをクリック)

・「実存は本質に先立つ」

・すべては主観であり、客観は存在しない。

・現象学の3つのルール。

8.我-汝の対話(詳しくはここをクリック)

  目的や対象を何ら持たない「関係」という体験。(「我-それ」の関係と区別。)

9.変容の逆説的な理論(詳しくはここをクリック)

 なりたい自分になろうとしても、なりたい自分にはなれない。「今・ここ」にいるありのままの自分を体験しつくすことによって変容は起きる。

10.場の理論(詳しくはここをクリック)

グループの参加者一人一人は、場の中にいると同時に場を構成している。 一つの出来事は、一つの原因に対する結果として起きるのではなく、場の様々な要素が絡み合い影響し合って起きているプロセスである。

 
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図1

直線と曲線がたまたまある位置関係に

​おかれた時、意味のある形の全体像に見える=ゲシュタルトを形成している

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図2

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​内

中間領域

図3

​外(環境)